民間企業の有効求人倍率がバブル期に並んだそうです。
・1.48倍(2017年4月)
・1.46倍(1990年7月)
・1.53倍(1974年2月)
公務員試験にはどのような影響があるのでしょうか?
地方公務員の申込者数大幅減
2017年の大卒程度公務員試験も一段落しました。
国家公務員も地方公務員もほとんどの大卒程度試験の結果が発表され、今年の公務員試験は残すところ高卒程度試験と社会人経験者試験の発表のみです。
この機会に全国の地方公務員の今年の申込者数を調べてみました。
そしてなんと驚くことにほとんどの都道府県で申込者数が減少していたのです。
都道府県の大卒程度公務員試験
1都1道2府43県
つまり全国には47の都道府県があります。
この47全ての都道府県で大卒程度公務員試験の行政(もしくは事務)区分の試験を実施しています。採用数0(ゼロ)の都道府県はありません。
気になる採用数は?
採用数トップは言わずと知れた「東京都」
東京都Ⅰ類Bの一般枠だけでも400名を超える最終合格者数です。申込者数でも約4000名と飛び抜けています。
少ない自治体だと数十名というところもありますが、行政(事務)系区分で一ケタの都道府県はありません。
ちなみに最終合格者数が最も少ない県は佐賀県で10名です。
大卒程度公務員試験の受験対象者
大卒程度公務員試験というのは30歳ぐらいまで受験できます。
新卒者だけが対象ではありません。年齢上限の厳しい高卒程度試験と違って転職にも使えるのです。
したがって対象者はかなりの数に上ります。
ところがその大卒程度公務員試験の申込者数が今年は大幅に減っているのです。
申込者数が減少した都道府県は80%以上に及びます。
申込者数が増えた自治体名は?
昨年比で申込者数が増えた都道府県は以下の7つのみです。
・岩手県(341→351)
・山形県(415→481)
・長野県(485→509)
・大阪府(1622→1938)
・兵庫県(713→794)
・広島県(471→514)
・福岡県(887→890)
※従来型のみの数字(新方式除く)
全都道府県のたった14.9%です。
それ以外の都道府県は減少か変わらずです。
ちなみに採用数は減っているどころかむしろ増えている自治体のほうが多いぐらいです。
申込者数が減少した原因は?
数字を見てもらえればお分かりのように、増加したといっても人数はほんの僅かです。しかも申込者数の増えている自治体そのものが全体の15%弱しかないのです。
確かに大卒程度公務員試験を受験するとなるとその負担は軽くありません。
教養試験と専門試験と小論文に面接
これらすべての対策が必要です。
自治体の中には苦肉の策として教養試験や小論文と面接のみといういわゆる「新方式」で試験を実施して受験者数の減少を防いているところもあります。
また、これだけ民間企業の就職状況がよくなると、新卒だけでなく既卒の転職市場でさえ人手不足が叫ばれるようになっています。
公務員受験の過重な負担と民間の就職状況
この2つが申込者数減の主たる理由でしょう。
政令指定都市はどうか?
都道府県の申込者数が減ってるなら政令市に流れてる?
確かにその傾向はあるようです。
政令指定都市は以下の7つの自治体で申込者数が増加しています。
・仙台市
・川崎市
・相模原市
・浜松市
・大阪市
・堺市
・北九州市
ただし、これには少しカラクリがあります。
仙台市は今年から年齢上限を35歳に引き上げました。
川崎市は教養試験の一般知識の出題を廃止しました。
やはり科目数の負担や年齢制限が重しになっていたようです。
まとめ
確かにこれほど就職状況が良好なのに好き好んでわざわざ負担の重い公務員試験を受験しようと考える人は少ないかもしれません。
ただ裏を返せば公務員になりたい人にとってまたとないチャンス到来です。
地元にUターン就職を目指す人は、この機会に公務員を受験することをお勧めします。
いえ、無理にとは言いません。