ただ今、特別区1類の出願期間中ですが、志望区を迷ってる方が多いようですね。
結構質問が多いので、特別区の採用システムについてご説明いたします。
特別区の採用システム
特別区の試験は、最終合格してもまだ採用が決まったわけではありません。
人事委員会の実施する「特別区Ⅰ類」などの試験に合格後、各区の面接を受けて採用先が決まります。試験に受かった段階ではまだ人事委員会の合格者名簿に掲載されたに過ぎません。
その点では、国家公務員試験の総合職や一般職と似通っています。
確かに国家公務員試験も、人事院の実施する試験に合格しても即採用とは限らない点で共通しています。しかし、国家公務員のように自分から官庁訪問できるシステムとは大きく異なります。
国家公務員試験の場合、たとえば総合職であれば、今年(平成28年度)の場合であれば8月3日(水)の朝8時半に希望する官庁の前に並んでれば、取りあえず門は叩かせてくれます。しかし、特別区の場合は提示があるまでただ待つしかないのです。
国立大学法人等職員採用試験も一次合格は単に機関訪問ができるというパスポートを得たに過ぎませんが、自分から自由に各機関を訪問できるという点では国家公務員の総合職や一般職と似ています。
その意味で、やはり特別区の採用システムは特殊です。
特別区の採用プロセス
特別区の場合、出願時に志望する区名等を第1志望から第3志望まで3つ書けます
(昔は志望区を5つ書けた時代もありました)。
しかし、必ずしも志望先の区から提示(=面接を受けに来てもいいよという知らせ)が来るとは限らず、提示が来なければ志望区の区面接を受けに行くことすら出来ません(人気区は志望者が多く全員と面接することは物理的に不可能なのです)。
志望区から提示が来るか否かはどうやって決まるのか?
提示は名簿の上から、つまり成績順に声がかかります。あまり考えたくないですが、志望する区すべてから提示が来ないこともあります。早い人は合格発表当日のお昼には電話がかかってきますので、しばらく待っても提示がない人は志望区からお呼びがかからない可能性が濃厚です。
これが単なる「配属先」であれば、希望通りのところに配属されなくても普通です。しかし、特別区の各区は各々が別個の基礎自治体です。それぞれ全く別の自治体なのです。したがって、試験に受かっても自分の行きたい自治体の面接を受けられないことを意味します。
年齢要件や資格要件を満たし筆記試験を通過しても面接を受けることができない、つまりスタート地点にすら立てない自治体は、私の知る限り特別区に属する各区(と各種組合や委員会)だけです。
確実に志望する区の面接を受けられるようにするためには、特別区人事委員会の実施する試験を上位で通過するしかないのです。
志望区をどこにするかが特別区受験者共通の悩みの種
ところで志望区をどこにするかですが、皆さんお悩みのようです。
採用人数の少ない都心区ばかり3つ書くと、どこからもお呼びが掛からない可能性があります。
かと言って、行きたくないところは書きたくないというのが本音でしょう。
実際、都心区は東西南北どの方面からも通い易いため人気が集中します。
多摩エリア、神奈川エリア、埼玉エリア、千葉エリア全てが通勤圏です。
中には、自宅から各区の区役所までの通勤時間を計算してリスト化し、通勤時間の短い順に志望区を記載している人もいました。
したがって、都心区以外でも人口の多いエリアを志望する場合は要注意です。
3つの志望区どこからも提示がなかった場合どうなるか?
皆さん気になるところだと思いますが、うっかり人気区ばっかり書いてしまって、どこからも提示が来なかった場合は一体どうなるのでしょうか?
もしかしてどこからも内定がもらえない?
いやいや、そんなことはありません。
志望区からお呼びが掛からなかった場合、全く志望してない区や清掃組合などから、一週間後ぐらいに「面接を受けに来ませんか?」というお手紙が来ます(※年度や採用先によって異なる可能性があります)。
したがって、どうしても遠いとこは嫌だという人は、第一志望のみ3つ書くのは危険です。
仮に第一志望が3つあった場合、そのうち1つを第一志望に記載し、第二志望・第三志望は本当に「ここなら勤めてもいいかな」ぐらいの区を書いておくのが安全です。
では、どこが第二・第三志望に適した区なのか?
それは機密事項なので教えられません。
というより、住んでるエリアなどによって異なるので一概には言えないのです。
おわりに
今回は、面接試験を突破するための「極意」を書こうかと思っていたのですが、一風変わった「面接試験(を受けられるようになるため)の極意」になってしまいました。
志望する区から提示が来ることをお祈りしています。
そのためには、全力で高順位を目指してください。