こんな注意事項ってあり?公務員試験の問題より難解な受験案内の「注意事項」

受験脳の注意

国家公務員の出願開始が明日に迫って参りました。
今回は、出願前のチェックポイントを挙げておきます。

中には試験問題より難解な「受験案内」もあります。
引っ掛からないよう念入りにチェックしておきましょう。

今年の大卒レベル公務員試験の日程は大方出揃いました。警視庁の1回目(今年は5月1日)や県警(大半が5月8日)の試験は思いのほか日程が動かなかったですが、その他の大卒レベル公務員試験は昨年同様日程が圧縮され、一次試験は5月下旬~6月下旬に集中しています。公務員試験総合ガイドでは、発表のあったものから順に日程が更新されてますので各自ご確認ください。

受験案内に仕掛けられた罠?

試験日程や受験資格、申込期間や試験科目の発表に次いで、国家公務員試験は『受験案内(募集要項)』がほぼ出揃っています。地方公務員はまだ横浜市他わずかな自治体しか受験案内を公表していませんが、ここのところ公務員試験は細かな試験制度の改変が相次いでるので、受験案内を入手したら入念にチェックするようにしましょう。うっかり重要なポイントを見落とすことがあるので注意してください。

たとえば先月受験案内を公表した「裁判所職員採用試験」の「受験上の注意事項」にこんな文言があります。

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1 第1次試験日の携行品
⑴ 受験票(3箇月以内に撮影した写真を貼ったもの)
⑵ 受験票(控)
⑶ HBの鉛筆又はシャープペンシル(第1次試験で使用します。)
⑷ 黒のペン又はボールペン(インクが容易に消せるものを除きます。第2次試験で使用します。総合職試験(家庭裁判所調査官補)受験者は不要です。)
⑸ プラスチック製消しゴム
⑹ 時計(時計機能だけのものに限ります。)
⑺ 昼食
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注意すべきなのは⑶と⑷(特に⑷)です。

これを読んだ家庭裁判所調査官補の受験生から
今年から2次がペン書きではなくなったんですか
と訊かれました。(裁判所の2次は基本ペン書き)

違います!

では、紛らわしい表現の⑷を分解してみましょう。

  1. インクが消せない黒のペン等を第1次試験日に持参
  2. その黒のペン又はボールペンは第2次試験で使用する
  3. 総合職試験(家庭裁判所調査官補)受験者は持参不要

なんのこっちゃ?と思った人も多いでしょう。

  • なぜ2次試験で使用するペンを1次試験に持参する必要があるのか?
  • 総合職試験(家庭裁判所調査官補)受験者はなぜ不要なのか?

ある程度知識がないとこの文言は解読できないでしょうね。

それでは正解編へ

読解力を要する注意事項ですが、答えはこうです

裁判所事務官の2次記述は1次試験日に同時に実施されます。
しかし1次試験の合否判定には使用せず、1次合格者のみ評定される。
つまり、1次試験では使用しなくても、1次試験と同日に実施される2次試験ではペンが必要になるということです。

ではなぜ総合職試験(家庭裁判所調査官補)受験者はペンを持参する必要がないのか?それは、第1次試験と同日(6/5)に実施される2次試験は憲法の記述試験だけだからです。

総合職試験(家庭裁判所調査官補)の2次試験科目に憲法はありません。
したがって、通常通り6月25日(土)に2次試験が実施されます。

⑷の文言に従うと2次試験は黒のペン又はボールペンを使用
したがって、2次の専門記述は従来どおりペン書きです。

判断推理の問題並みに難解な「受験上の注意事項」でした。