公務員試験の勉強法~学習スタイルとその効果の検証~

学習スタイル
この記事は2014年2月5日に掲載した記事を再編集したものです。

このコーナー、今までは主に数値データから公務員試験攻略法を分析してまいりました。しかし、今回はやや感覚的な話になります。あまりロジカルではない点をご承知おきください。先日、受験生から学習相談を受けて、学習スタイルについて少し気になったので・・・。



一般知能科目の学習スタイル

今年、つまり平成26年度の大卒程度公務員試験を受験予定の方は、そろそろ知能・計算系の科目から知識・暗記系の科目へとシフトしている時期だと思います。ただ、どんなに知識系科目の詰め込み作業に追われていても、一定時間は知能系科目の演習時間を確保してください。

知能系科目はスポーツや楽器に近い性質があり、数週間ブランクが空くと途端に力が衰えます。一通りインプットが終わった後も、本番までコンスタントに演習を続ける必要があります。やり方は2通りあります。1つは、毎日数問ずつ解くやり方。もう1つは、週に1日知能系科目の日を設けるというやり方。

どちらの方法でも構いません。自分に合った方法を採用してください。大学生の方であれば、後期試験も終わり春休みに入った時期なので、毎朝数問ずつ日課のように数的の問題を解くという方法が一般的です。

一般知識科目の学習スタイル

知能系科目(特に数的処理)は攻略の難しい科目ではありますが、学習方法はこのように極めてシンプルです。代表的な出題パターンをインプットした後は、ひたすらコンスタントに類題演習を続けるのみです。しかし、知識・暗記系科目にはこのような定番の学習スタイルというものがありません。

知識系科目の暗記スタイルは人それぞれ異なるので、自分に適したスタイルを確立しよう

暗記のやり方は人それぞれです。どんなやり方でも構いません。ただ一つ言えることは、自分のスタイルを持っている人は強いということです。かつて、数的処理を大の苦手としている受験生がいました。数的で取れない分を知識でカバーしようという作戦に出たのですが、彼は自分の暗記スタイルというものを完全に確立していました。

自分のスタイルを持つ人は強い

それは、暗記すべき文言を巨大な字で紙に書き写すというやり方です。雑記帳にひたすら巨大な文字を書き連ねている様子を最初に見たときは面食らいましたが、彼曰く、W大受験のときからこのやり方を貫き通しているそうです。成功体験を積み重ねることで彼なりの手法を会得していったということでしょう。

その結果、数的処理が全く解けなかったにも関わらず、知識系科目を武器に、見事、第一志望の県庁に合格しました。「数的処理である程度得点できないと合格は難しい」という公務員試験のセオリーは覆されました。

手法が正しいか否かではない

それは、この手法が正しかったからではなく、彼が、成功に裏付けられた「自分のスタイル」を確立していたからです。他の人が同じ戦法を真似ても成功するとは限りません。反対に、彼がこれ以外のスタイルを採用していたら成功は遠のいていたことでしょう。

スイスの軍事演習で、アルプス山脈に送り出されたハンガリー軍の偵察隊が雪山で遭難した。メンバー全員「もうダメだ。生きては戻れない」と諦めかけていた矢先、ある隊員がポケットに地図を発見。それで一行は冷静になり、地図を手がかりに全員無事生還!ところが後になってよく見ると、その地図は「アルプス」ではなく「ピレネー」の地図であった。

学習スケジュールの管理

暗記技法については、自分の経験上最も効果のあった手法を踏襲するのが一番だとして、では、学習スケジュールについてはどうでしょう? 今まで自分の採ってきたやり方は、果たして最も効果的な方法なのでしょうか? むしろ、疑いもせず今までと同じやり方を続けている方が大半だと思います。

しかし、体に染み付いている暗記技法とは異なり、学習スケジュールなんてものは考え方一つでいくらでも変更可能です。今までのやり方があまり効果的でなかったら、思い切って考え方を変えてみましょう! 公務員試験は他に類を見ない 多科目型の試験です。今まで通りのやり方が通用するとは限りません。

計画通り学習を進めることが目的ではない。目的と手段を履き違えないように!

件の受験生と話していて、知識系科目も毎日少しずついろんな科目をやっていると聞き、これには流石に違和感を覚えました。少しずつやって1回転するのに数ヶ月。ステップアップに理解を要する科目ならともかく、単なる知識科目にこのサイクルは長すぎます。

「そのやり方だと、ドンドン忘れてかない?」と訊ねると、
「最初の頃学んだ内容はすっかり忘れてる」と。

大胆に方法を変えることを提案しました。
「知識系科目は一気にやる。体力と気力の続く限り・・・」

具体的な学習スケジュール例

問題解いて解説を読んでに1問当たり5分かかるとします。午前中は知能系科目の演習に費やすとして、午後から「今日はこの科目!」と決めた科目の問題を解き始めるとします。ライトな科目なら精根尽き果てるまでに70~80問。ヘビーな科目でも50問。これを科目ボリュームに応じて1~3日間続け、間違えた問題にマーキングしたら、数ヶ月放置

間違えた問題のみ同じように繰り返す。

どうです? 試しにやってみてください。
精神が崩壊する寸前まで行きますが、効果があることは請け合いです。というのも、今まで受験生にしたアドバイスで最も感謝されたのがこれだからです。

ただ、「こんなこと、もう二度とやりたくない」とも言われましたけど。